季節の食卓

みなさん、こんにちは。フードビジネスコーディネーターの加賀谷恭子です。

仕事がら、いろんな食材を扱って調理をしています。食材は、季節ごとにおいしいものがあって、それは普段忘れかけている昔ながらのものもあれば、新しく生まれたものまで、本当に様々。折角ですから、これから私が出会ったいろんな食材を少しずつ取り上げて、食材のことから考えて作る“季節の食卓”をテーマに、コラムを毎月更新していこうと思っています。 
中でも、私はお野菜を中心とした極々シンプルな調理のごはんを得意としております。だって、農家のみなさんが手間隙かけて作った、自然のチカラが溢れんばかりのお野菜に触れると、余計なことはしちゃいけないなって思うんですよ。お野菜とじっくりお話して、一緒に調理法を決めたりしています。

複雑な調理や、派手なディスプレイはしません。普段、おうちで出来て、いつもよりちょっぴりステキ…という食卓を提案していきます。食べ物を見たり、触ったり、おうちでのごはんが楽しい!って思っていただけたらうれしいです。気が向いた時に、ふらりと見に来てくださいね!


第32回 釣り師のご家族必見!お魚さばこう!の巻 かわはぎ編

ロコディッシュには、地元船橋港の中仙丸から直送でお魚がやってくるので、水揚げされたばかりの新鮮なお魚をみなさんに召し上がっていただいています。そして、中仙丸に負けじとすごいお魚たちを釣ってくる、“ロコディッシュ専属釣り師”たち(現在4名)。彼らが釣ったお魚を手にお店に入ってくる時の顔が大好きです。子どもたちの「一等賞とったよ!」みたいな顔でお魚の説明を始めます。
そんなひとりの釣り師が「かわはぎ」を釣ってきてくれました!パチパチ・・・

「かわはぎ好きです。」=「市販のみりん干しのかわはぎが好きです。」という方が多く、日常の食卓にかわはぎ料理が並ぶことって意外と少ないようです。夏が旬ですが、秋冬は肝もおいしくなってきて、今日も浦安魚市場においしそうなかわはぎが並んでいましたよ。

お魚をさばくときに一番イヤがる方が多い(実は私も・・・)ウロコ取りもないし、その名の通り皮をはぐのもカンタン。今夜は、かわはぎ食べませんか?

それでは早速、お魚さばこう!かわはぎ編の食卓です。 

かわはぎ料理に囲まれた白いごはん。味にクセのないかわはぎは、クセのない器に盛り付けました。特別変わったものもない、でも、バランスが取れて、しっくりくる食卓。こんな日常の食卓も良いものですね。

ランチョンマットだけ、濃い色にして、全体を引き締めました。

それでは、お料理の説明です。

かわはぎの肝あえ

にんじんと、トマトでオレンジ色のごはんを炊きます。

  1. かわはぎの口を切り取ります
  1. 角を切り取ります
  1. 口の切り口から、手でびろーんと皮をはがしていきます。裏側も同様に
  1. 頭を切り落とします
  1. おなかから、内臓を取り出します。肝を潰さないようにそっと。おなかの中を一度流します

  2. 三枚におろします。骨に沿って包丁を入れていきます *頭や骨は、あら汁にするとおいしいので、よく洗って取っておき ましょう
  1. 骨抜きで真ん中の骨を抜いていきます
  1. 身を薄く切ります

  2. 肝に薄口醤油(と、お好みでわさびも)を入れて混ぜ、切った刺身を和えます

 

かわはぎの姿煮

煮付けもいいですねー。煮汁が沸騰してから、かわはぎを入れて、落としぶたでコトコト。煮魚の基本通りにすれば、失敗もなし!です。


  1. 肝あえの(1)〜(5)までと同じように、かわはぎを下処理し、肝をきれいに洗って、おなかに戻します

  2. 鍋に酒:みりん:薄口醤油:水=1:1:1:1と、生姜の千切りを煮立て、ふつふつしたら、かわはぎの頭を左にしてそっと入れます

  1. 落としぶたをします
    (なくても大丈夫!アルミホイルに穴を開けてかわはぎにかぶせます)

  2. 弱火で、ふつふつした状態で7−8分煮ます
    *一緒に豆腐や白ねぎを入れてもおいしいです

 

かわはぎのあら汁

さばいた後の頭と骨を、あら汁に。漁師さんに教えてもらったあら汁の作り方。臭みがなくて、とってもおいしい♪


  1. かわはぎの頭と骨を水で洗い流し、鍋にいれます
  2. ひたひたの水と酒を入れて、味噌を濃いめに溶き、強火にかけます
  3. 沸騰した後も、3分くらいく強火のまま煮立てます
  4. 水を足して、好みの味に調整します

それでは、お魚さばこう!かわはぎ編の今回の主役。

カワハギ

かわはぎの旬は夏。でも、「第二の旬」といわれている時期があって、それは秋〜冬。
身を食べるなら夏。肝を食べるなら秋〜冬。というわけです。

かわはぎ料理の中でもメジャーな「みりん干」は、当然のことながら肝が入ってないので、生で買ってみて、肝もぜひお楽しみくださいね♪

皮が厚くて難しそう・・・いえいえ、意外とカンタンに手でむけます。
五枚おろしって、どうやるんだっけ?・・・意外と小さいので三枚でいけちゃいます。
三枚におろすの大変そう…少しくらい身が薄くなったって、抜群においしい肝がある!骨の周りに身がたくさん残ってしまったら、あら汁にしておいしくいただけば良いのです。

かわはぎだけでは、ありません。お魚全部、細かいこと心配せずに、まずは触ってみましょうよ。人の姿カタチが違うように、同じ種類の魚でも、全く同じカタチはないんです。初めて触るお魚も、怖がらずに触ってみる。内臓の場所、骨の場所、なるほどこんな風になっているんだね。って、お魚を知りながらやっていけばいい。
だって、最終的に愛のこもったおいしいゴハンになれば良いのですから。
・・・最近、魚をたくさんさばくようになって、思っていることです。

船橋港はスズキの水揚げが日本一なんですって!
ロコディッシュにも立派なスズキが届きます。
ぜひ、お刺身を食べに来てくださいね♪